自治体のスタンプラリー方法には、大きく分けて紙スタンプラリーとデジタルスタンプラリーがあります。
観光周遊や商店街回遊、地域イベントの参加促進に活用される施策ですが、実施方法によって参加しやすさ、運営のしやすさ、集計の手間は大きく変わります。
特に自治体の商工観光課や地域振興担当では、「予算に合うのはどちらか」「高齢者も参加しやすいのはどちらか」「職員の業務負荷を抑えられるのはどちらか」と悩みやすいのではないでしょうか。
この記事で答えること
- 紙スタンプラリーとデジタルスタンプラリーの違い
- 自治体施策ではどちらが向いているのか
- 業務効率化も踏まえた選び方のポイント
自治体の地域振興施策では、参加対象や開催目的に応じて方式を選ぶことが重要です。
そのうえで、運営のしやすさや集計の効率、効果検証まで見据えるなら、デジタルスタンプラリーは有力な選択肢です。特に、周遊データの把握や抽選管理、報告資料づくりまで含めて業務効率化を図りたい場合に向いています。
目次
- 紙スタンプラリーとデジタルスタンプラリーの基本
- 紙スタンプラリーとは
- デジタルスタンプラリーとは
- 紙スタンプラリーとデジタルスタンプラリーの違い
- 比較表で見る主な違い
- 自治体で差が出やすい比較ポイント
- 紙スタンプラリーが向いているケース
- 紙が向いている自治体施策
- 紙で実施する際の注意点
- デジタルスタンプラリーが向いているケース
- デジタルが向いている自治体施策
- 業務効率化の観点で見たメリット
- 自治体がスタンプラリー方式を選ぶときの判断基準
- 目的から選ぶ
- 参加者層から選ぶ
- 運営体制と業務負荷から選ぶ
- 自治体で実施する際の進め方
- 実施前に整理しておきたい項目
- よくある失敗と対策
- よくある質問
- まとめ
紙スタンプラリーとデジタルスタンプラリーの基本

まず押さえたいのは、両者の違いは“参加方法”だけでなく、“運営方法”にもあるという点です。
自治体施策では、住民や観光客の参加しやすさだけでなく、事務局側の集計や管理のしやすさも重要です。
紙スタンプラリーとは
紙スタンプラリーは、台紙とスタンプを使って参加者に周遊してもらう方法です。
観光施設、商店街、公共施設、イベント会場などにスタンプを設置し、参加者が紙の台紙に押印して回ります。昔から使われている方法で、直感的に分かりやすく、説明が少なくても参加しやすいのが特徴です。
紙スタンプラリーの主な特徴は次の通りです。
- スマートフォンがなくても参加できる
- 小さな子どもや高齢者にも伝わりやすい
- 紙台紙やスタンプの制作が必要
- 回収、集計、抽選対応は手作業になりやすい
デジタルスタンプラリーとは
デジタルスタンプラリーは、スマートフォンを使って参加する方法です。
QRコードの読み取り、GPS、Webページへのアクセスなどを通じてスタンプを集める形式が一般的です。アプリのインストールが必要なものもありますが、最近はブラウザで参加できるタイプも増えており、参加ハードルを抑えやすくなっています。
デジタルスタンプラリーの主な特徴は次の通りです。
- 紙の配布や回収が最小限で済む
- 集計や抽選管理を効率化しやすい
- 参加状況や周遊傾向をデータで把握しやすい
- スマートフォン操作に不慣れな層には配慮が必要
紙スタンプラリーとデジタルスタンプラリーの違い
自治体で比較すべきなのは、見た目の新しさではなく、参加しやすさ・運営負荷・分析しやすさです。
比較表で見る主な違い
| 比較項目 | 紙スタンプラリー | デジタルスタンプラリー |
|---|---|---|
| 参加方法 | 台紙にスタンプを押す | スマホでQR読取・GPS取得など |
| 参加ハードル | 低い。誰でも参加しやすい | スマホ利用が前提になる |
| 高齢者・子ども対応 | 比較的向いている | 案内設計が必要 |
| 準備物 | 台紙、スタンプ、設置物、回収箱など | システム、QR掲示物、案内物など |
| 開催中の運営 | 補充、回収、問い合わせ対応が発生しやすい | 管理画面で確認しやすい |
| 集計のしやすさ | 手作業になりやすい | 自動集計しやすい |
| 効果検証 | 限定的になりやすい | 参加数、地点別実績、回遊傾向を見やすい |
| 業務効率化 | 限界がある | 実現しやすい |
| 向いている施策 | 地域イベント、ファミリー向け、小規模周遊 | 観光周遊、複数拠点、継続施策、分析重視 |
自治体で差が出やすい比較ポイント
特に差が出やすいのは、開催後の事務処理と効果検証です。
紙スタンプラリーは参加しやすい一方で、開催後に次の作業が発生しやすくなります。
- 台紙の回収
- 押印確認
- 応募条件のチェック
- 抽選対象の整理
- 報告資料用の集計
一方、デジタルスタンプラリーは、導入設計が必要な反面、開催後の集計や確認を進めやすい傾向があります。
現場目線の一言
自治体施策では、企画段階では参加率ばかり見られがちですが、実際には「終了後の集計が大変だった」「応募条件の確認に時間がかかった」といった運営面でつまずきやすいです。担当者の人数が限られる場合は、この差が想像以上に大きくなります。
紙スタンプラリーが向いているケース
紙は、幅広い年代に分かりやすく、参加のしやすさを優先したい施策に向いています。
紙が向いている自治体施策
次のようなケースでは、紙スタンプラリーが有力です。
- 来場者にその場で参加してもらうイベント
- 子ども向け、親子向けの回遊企画
- 高齢者の参加比率が高い施策
- デジタル操作の問い合わせを増やしたくない企画
- 会場やエリアが限定的で、集計件数もそれほど多くない施策
紙は「見れば分かる」「説明しやすい」という強みがあります。
商店街イベントや地域のお祭り、文化施設を巡る企画などでは、あえて紙を使うほうが参加の心理的ハードルを下げられることがあります。
紙で実施する際の注意点
紙は始めやすい一方で、運営負荷が増えやすい点に注意が必要です。
主な注意点は次の通りです。
- 台紙の印刷部数を読み違えると不足や余りが出やすい
- 設置スタンプの破損、紛失、インク補充対応が必要
- 不正防止の設計を考える必要がある
- 回収台紙の確認や集計に人手がかかる
- 参加状況の途中把握がしにくい
向いていないケース
次のようなケースでは、紙だけで進めると負担が大きくなりやすいです。
- 参加拠点が多い
- 長期開催で集計量が多い
- 効果検証を細かく行いたい
- 少人数の担当者で運営したい
自治体がスタンプラリー方式を選ぶときの判断基準
どちらが優れているかではなく、目的と体制に合っているかで選ぶことが大切です。
目的から選ぶ
まずは、施策の主目的を明確にします。
| 主な目的 | 向きやすい方式 |
|---|---|
| 誰でも参加しやすい地域イベントにしたい | 紙 |
| 周遊促進と参加データの把握を両立したい | デジタル |
| 家族連れ・高齢者にも広く参加してほしい | 紙 |
| 複数拠点をまたぐ観光施策にしたい | デジタル |
| 継続実施しやすい形にしたい | デジタル |
参加者層から選ぶ
参加者の属性によって、適した方法は変わります。
- 高齢者比率が高い
→ 紙が参加しやすい傾向があります - 観光客や若年層が中心
→ デジタルが使いやすい傾向があります - 幅広い層が対象
→ 紙とデジタルの併用も検討余地があります
運営体制と業務負荷から選ぶ
担当者数や委託範囲も重要な判断材料です。
次のような場合はデジタルが向きやすいです。
- 少人数で運営したい
- 開催後の集計を簡略化したい
- 実績報告や分析まで見据えたい
- 継続開催を前提にしたい
逆に、単発の小規模イベントで、配布・回収もその場で完結するなら紙でも十分成立します。
自治体で実施する際の進め方

成功しやすいのは、方式選定の前に“何を達成したいか”を整理しているケースです。
実施前に整理しておきたい項目
以下を事前に決めておくと、方式を選びやすくなります。
- 目的
観光周遊なのか、来店促進なのか、イベント参加促進なのか - 対象者
住民中心か、観光客中心か、子ども連れが多いか - 開催規模
拠点数、開催期間、見込み参加者数 - 景品設計
先着型か、抽選型か、応募条件はどうするか - 運営体制
誰が問い合わせ対応をするか、集計は誰が担うか - 報告の必要性
庁内報告、事業評価、次年度提案にどの程度のデータが必要か
よくある失敗と対策
失敗しやすいのは、参加者視点だけでなく運営視点の設計が不足している場合です。
| よくある失敗 | 起きやすい原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 参加はあったが集計が大変だった | 紙前提で事務作業を見積もれていない | 事前に回収・確認フローを設計する |
| デジタルにしたが使い方の問い合わせが多い | 案内不足、導線が複雑 | 参加手順を1枚で伝える、現地掲示を分かりやすくする |
| 拠点ごとに運営差が出た | 現場共有が不十分 | マニュアルと説明資料を統一する |
| 効果検証ができなかった | 目的とKPIが曖昧 | 参加数、周遊数、応募率など事前に決める |
よくある質問
-
自治体のスタンプラリーは紙とデジタルのどちらがよいですか?
-
結論として、目的と参加者層によって適した方法が変わります。
高齢者や子どもを含めて幅広く参加してほしいなら紙が向きやすく、周遊データの把握や業務効率化を重視するならデジタルが向いています。
-
デジタルスタンプラリーは高齢者向け施策には不向きですか?
-
一概に不向きとは言えませんが、案内設計が重要です。
ブラウザ型で参加しやすくしたり、現地で案内掲示を分かりやすくしたりすることで参加しやすさは改善できます。ただし、対象者によっては紙のほうが適している場合もあります。
-
自治体で業務効率化しやすいのはどちらですか?
-
一般的にはデジタルスタンプラリーのほうが効率化しやすいです。
紙は配布・回収・確認・集計が手作業になりやすい一方、デジタルは参加状況や応募条件の確認を進めやすく、報告資料づくりにもつなげやすいからです。
-
紙スタンプラリーにもメリットはありますか?
-
はい、参加の分かりやすさは大きなメリットです。
スマートフォンが不要で、その場で直感的に参加できるため、地域イベントや親子向け企画では相性がよいことがあります。
-
自治体では紙とデジタルの併用もできますか?
-
施策によっては併用も有効です。
たとえば、現地配布物やポスターは紙で案内しつつ、スタンプ取得や応募管理はデジタルにする方法です。対象者が幅広い場合には、参加ハードルと運営効率の両立を図りやすくなります。
まとめ
自治体のスタンプラリー方法を選ぶ際は、参加しやすさだけでなく、運営負荷や効果検証まで含めて判断することが大切です。
紙スタンプラリーは、誰でも参加しやすく、地域イベントやファミリー向け企画と相性がよい方法です。一方で、回収や集計などの事務作業は増えやすくなります。
デジタルスタンプラリーは、周遊促進に加えて、集計や応募管理、実績把握のしやすさに強みがあります。特に自治体の地域振興施策では、担当者の業務効率化や次回施策への活用まで見据えるなら、有力な選択肢になりやすいです。目的、対象者、体制に合う方法を選ぶことが成功のポイントです。
この記事の要点まとめ
- 紙スタンプラリーは参加しやすさに強く、地域イベントや幅広い年代向け施策に向いています。
- デジタルスタンプラリーは集計や管理を効率化しやすく、自治体の業務効率化に役立ちます。
- 地域振興施策で継続運用や効果検証まで重視するなら、デジタルスタンプラリーは有力です。
こんな場合はご相談ください
- 紙とデジタルのどちらで実施すべきか迷っている
- 参加しやすさと業務効率化を両立したい
- 自治体施策として無理のない運営方法を整理したい
- 観光周遊や地域回遊に合う仕組みを検討したい
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自治体のスタンプラリー施策では、参加しやすさだけでなく、運営体制や集計負荷、次回施策への活かしやすさまで含めて方式を選ぶことが大切です。
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投稿者プロフィール

- 渕上印刷株式会社でオウンドメディア運営と販促関連コンテンツ制作を担当。印刷、DM、販促施策、自治体向け施策、Web活用に関する記事を中心に執筆しています。




